【Due Diligenceで調べました Vol.1】トヨタ自動車の底力

June 21st, 2020 ‧ 8 min read

今、自動車業界では、自動運転システムを備えた自動車の開発が目覚ましい進展を見せています。完全な自動運転の実現が現実味を帯びてきましたが、解決すべき課題として制御関連の支援技術の向上などが取り上げられます。

ところで、下記のように、世界的に注目されている自動運転の領域では、トヨタは日本のトップを走り続けています。下記は1986~2019年の自動運転関連特許の出願人ランキング(日本国内)です。

図1 出願人のランキング (オプトロニクス社2019年の調査より)

さて、前述した制御関連の支援技術ですが、「通信システム」「障害物認識システム」「走行支援システム」の三つにまたがっています。

  • 通信システム:
    安全運転支援システムの一つで、車車間通信(車載通信機間の通信のこと)、路車間通信(路側通信機と車載通信機との間の通信)、歩車間通信(歩行者端末と車載端末との間の通信)を含む。
  • 障害物認識システム:
    カメラ、レーダなどを搭載し、ドライバーの安全運転をサポートするシステム。
  • 走行支援システム:
    警報や運転操作の支援により危険回避など安全・快適な運転を支援するシステムで、速度の制御、操舵制御、姿勢制御などを含む。

では、日本トップのトヨタは、制御関連分野においてどのような研究開発を行っているのでしょうか。またどの地域で特許を取得しているのでしょうか。Due Diligenceで調べてみましょう。

今回はまず、前述の「通信システム」「障害物認識システム」の自動運転に関する特許ポートフォリオをチェックしました。両者はともにIPCコードH04(電気通信技術)、G01S(電波の使用による距離または速度の決定等)を含む点で共通しています。

地域別の特許分布

下記はトヨタの所有する「通信システム」「障害物認識システム」に関する自動運転関連特許ポートフォリオです。ここでは存続特許のみ表示されており、出願中又は権利抹消された特許は地図に掲載されていません。なお、データベース収録遅れ等の原因で全データを反応していない可能性があります。

図2 トヨタの所有する「通信システム」「障害物認識システム」に関する自動運転関連特許ポートフォリオ
(Due Diligenceのダッシュボートより)

図2に示すように、トヨタの所有する「通信システム」「障害物認識システム」に関する自動運転関連特許では米国での登録特許が最も多いです。

共同出願

トヨタの所有する「通信システム」「障害物認識システム」に関する自動運転関連特許ポートフォリオに含まれる共同出願件数は次の通りです。

図3 トヨタの自動運転関連特許ポートフォリオ (「通信システム」「障害物の認識システム」)に含まれる共同出願件数
(Due Diligenceのダッシュボートより)

Due Diligenceのダッシュボートの示すように、トヨタは前述の二つの技術分野では共同出願特許は3割未満です。ここから関連特許の大部分は自社で取得していることがわかります。トヨタは「通信システム」「障害物の認識システム」の研究開発に力を入れていると言えます。

以上、簡単にトヨタの自動運転関連特許ポートフォリオを確認しました。改めてトヨタの底力を実感しました。

トヨタの所有する特許ポートフォリオについて、ほかに何か知りたいことがありますか?それとも、ほかの企業の特許ポートフォリオについて知りたいのでしょうか?

このように、用意された特許ポートフォリオ(特許リスト)をDue Diligenceに入れるだけで、その特許群の関連情報をExcelで加工せず瞬時に可視化することができます。

図4 Due Diligenceの特徴

手軽に利用できるから、何か知りたいことがあればまずはDue Diligenceで調べてみましょう。無料トライアルでは、特許ポートフォリオ分析を100回まで無料体験可能です。

New call-to-action

Related Posts
The IP world moves fast

Subscribe to receive the latest insights right in your inbox.

By submitting your contact information, you understand and agree to our GDPR, Terms of Use and Privacy Policy